2026年10月31日、名古屋市北区の金城(きんじょう)市場で「なごや和菓子縁日」が初開催されました。名古屋の歴史や文化に出会える祭典「やっとかめ文化祭DOORS」の一企画として、市内25店の和菓子が集結。和菓子好きが集う熱気あふれる会場で、名古屋の和菓子の魅力に触れてきました。
住宅街に行列、目当ては25店の銘菓
開場前の金城市場を訪れると、すでに行列ができていました。ここは繁華街の百貨店やショッピングモールではなく、閑静な住宅街の一角。並んでいるのは、和菓子好き垂涎(すいぜん)の販売会「なごや和菓子縁日」を楽しみに待つ人たちです。

午前11時に開場し、数名ずつ案内されて中へ入ると、まんじゅうやういろ、どら焼き、あられなど、名古屋を代表する名店自慢の品がずらり。
江戸時代から300年以上の歴史を受け継ぐ超老舗から、新たな感性が光る新世代、SNSやメディアで話題の人気店までが一堂に集まる光景は圧巻です。
参加店一覧
- 青柳総本家 大須本店
- 大須ういろ 本店
- 京菓子司 亀広良
- 川口屋
- 元祖鯱もなか 本店
- 栗菓匠 和泉
- あられの匠 白木 本店
- 大黒屋本店
- 福田屋
- 舞雀 中郷店
- 御菓子司 美濃忠
- 山田餅なるみ
- 両口屋是清 東山店
- 一朶
- 覚王山不老園
- 亀屋芳広 本店
- 菓道心如月
- きよめ餅 総本家
- 孝和堂本店
- 雀おどり 總本店
- 不朽園
- 御菓子司 不老園正光
- 万年堂
- みふく堂
- 御菓子所 芳光
まなびと江戸時代から歴史を受け継ぐ超老舗から、SNSでバズる人気店まで!これだけの名店が一堂に会する機会は超貴重!
名古屋らしい鯱(シャチ)をモチーフにしたものや、地域の文化、季節を感じさせるもの。なじみのある銘菓もあれば、気になりながらも、これまで購入する機会がなかった一品もあります。
いろいろな店のお菓子を少しずつ選べるのは、和菓子好きにはうれしいところです。あれもこれもと、つい目移りしてしまいました。


自店の枠を越えて「あちらもおいしい、こちらもおすすめ」


売り場には、黄色い法被姿の文化祭運営スタッフのほか、各店の法被を着た旦那衆の姿も。印象的だったのは、自店の商品だけでなく、他店の銘菓も自然に勧めていたことです。
「あちらもおいしい。こちらもおすすめ」
その声を聞いて、商品に手を伸ばすお客さんの姿も見られました。店の垣根を越えて、名古屋の和菓子のおいしさを伝えようとする思いが感じられる場面でした。
「一カ所で買いたい」の声から実現


今回の企画担当である近藤マリコさんに、初開催に至る経緯を伺いました。
「10年ほど前から、やっとかめ文化祭の中で、和菓子に関する体験講座や参加店舗をスタンプラリー形式でめぐる企画を行ってきました。和菓子店を目当てに、普段行かないまちにも足を運ぶ。そんな取り組みをしています」
その中で、参加者から「各店舗のお菓子を一カ所に集めて販売してほしい」という声も聞かれるようになり、高島屋全店和菓子バイヤーの畑主税(はた・ちから)さんの協力を得て、名古屋自慢の和菓子が一堂に会する販売会が実現しました。
市内各店をめぐる企画に加え、一カ所でさまざまな味に出会える今回の縁日は、名古屋の和菓子に親しむきっかけを広げる機会となりました。
茶席からおやつまで、多彩で上質
さらに名古屋の和菓子の魅力について尋ねると、近藤さんはこう語ってくれました。
「名古屋の和菓子って、とても幅が広いうえに、ものすごくレベルが高いんです。茶会で使われるような生菓子・干菓子もあれば、日常のおやつまで。そして、ものづくりのまちだけあって、職人さんはみなさん器用。とても丁寧で真面目な仕事をされるんですよ。もっと地元の人は誇りに思ってほしいんです」
近藤さんによると、監修の畑さんも、京都・金沢・松江の「三大菓子処」に名古屋を加えた「四大菓子処」を提唱したいと話しているそうです。
茶の湯文化が根付く名古屋。そのお話を聞くと、このまちで豊かな和菓子文化が育まれてきたことにも納得がいきます。





やっとかめ大使というのは、「やっとかめ文化祭DOORS」の運営をサポートする、ボランティアスタッフさんのこと。昨年、私もやっとかめ大使として、いくつかのプログラムに参加させていただきました。
スタッフとして参加していた和菓子好きのやっとかめ大使さんも、こんな魅力を教えてくれました。
「やっぱり名古屋の和菓子って素直に美味しい。しかも他の地域と比べて、このクオリティでこのお値段!?と驚くことが多いんです」
名古屋に住んでいると、そのおいしさや質の高さを、つい当たり前に感じてしまいますが、お二人の言葉は、身近にある和菓子の価値を見つめ直すきっかけになりました。
一つ選ぶ楽しみが、和菓子文化を支える
筆者も会場で数点を購入しました。初めて手に取るものもあり、身近なまちに、まだ知らない味が多くあることを実感しました。



今回、購入できたのは、
・一朶の豆餅
・御菓子所 芳光のわらび餅
・元祖鯱もなか 本店の鯱もなか
・孝和堂本店のおはぎ
・みふく堂の松重焼き
後から聞くところによると、生菓子系はすぐ完売していたそう。


最後に、和菓子になじみの薄い世代へ伝えたいことを尋ねると、近藤さんは「まずは、近くの和菓子屋さんで一つ、好きなものを買ってみてほしい」と答えてくれました。
特別な日の手土産だけでなく、今日のお茶のお供として気軽に手にとる。身近にある和菓子の魅力を知り、誇らしく思う。そんな日々の楽しみが、名古屋の和菓子文化を支えることにもつながっていくのかもしれません。
※「なごや和菓子縁日」はこの日限りですが、「やっとかめ文化祭DOORS」は11月15日まで開催。市内の和菓子店をスタンプラリー形式でめぐる企画は、引き続き楽しめます。(購入するとスタンプを押してもらえる”旅する判子コレクション”では、今回のなごや和菓子縁日の参加店に加え、合計31店が参加しています。https://yattokame.jp/2026/wagashi)
【基本情報】
なごや和菓子縁日
開催日:2026年10月31日(土)※終了しました
会場:金城市場(名古屋市北区清水5丁目32-22)
やっとかめ文化祭DOORS
2026年11月15日(日)まで開催。「なごや和菓子」「まちなか芸披露」「旅するなごや学」など名古屋の歴史や文化に触れるプログラムを展開している。各企画の日程や参加方法は公式サイトをご確認ください。
やっとかめ文化祭DOORS 公式サイト:https://yattokame.jp/2026/
※この記事は、「ローカリティ!」に掲載された記事を同時掲載したものです。リンク:
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