名古屋市西区・国道22号線沿いにあるヨシヅヤ名古屋名西店の1階に、2023年10月13日、新しくケンタッキーフライドチキンがオープンしました。
買い物帰りに立ち寄れる便利さもあり、地域にすっと溶け込むような新店ですが、実はレアな店舗なんです。
■ 名古屋市西区はケンタッキー「国内1号店」の地でもあった
意外に知られていませんが、ケンタッキーフライドチキンの本格的な日本進出は名古屋市西区から始まりました。
- 1970年11月
当時の「ダイヤモンドシティ・名西ショッピングセンター」（現在のイオンタウン名西の位置）に
常設店舗としての国内1号店が誕生 - ただし、翌年の1971年には閉店
東京や大阪ではなく、西区が国内1号店――。地元としては少し誇らしく思える歴史です。
ちなみに国内１号店であった当時の名西店がオープンしたのが11月21日であることから、この日は「フライドチキンの日」とされているのだとか。
今回のヨシヅヤ名古屋名西店には「国内1号店・発祥の地」と書かれた記念プレートが設置されています。
正確な一号店（かつてのダイヤモンドシティ）の位置とは約3km離れているため、厳密な“場所の一致”というよりは、「西区からKFCが動き出した」という歴史を象徴するものと受け止めるのが自然かもしれません。
■ 「50年ぶりの復活！」への、ちょっとしたモヤモヤ
SNSやメディアでは“50年ぶりの復活”と話題になっていますが、近隣住民として育った身としては、少しだけ違和感が…。
というのも――
1990年代前半、上更交差点近くに確かにケンタッキーがあったからです。
今回の新店からその場所までは、なんと500mほど。
家族でよく利用していましたし、友人もバイトしていたので記憶違いではないような…。
その店舗はいつしか閉店し、西区からケンタッキーの姿が消えてしまった時期もありましたが、「完全に50年ぶり」という感じではないのですよね。
それでも、新店が“国内1号店ゆかりの地・名西”として位置づけられ、
記念プレートとともに歴史を伝えていることは、とても素敵な取り組みだと思います。
地元の記憶と公式の歴史。その両方をそっと尊重したくなる、そんなオープンでした。
ココでしか見られないアートワークが印象的
店内右手には、小さなイートインスペースが設けられています。
イートインはもちろん、テイクアウトの待ち時間にちょっとひと息つくのにも良さそうです。
特に目を引くのが、日本で唯一というアートワーク。
50年以上前の1号店の雰囲気を感じられるパネルや、カーネルサンダースを象徴するストリングタイなど、ここでしか見られない展示が並んでいました。
いつも通りのフライドチキンを買いに来たはずなのに、つい足を止めて見入ってしまいました。
クリスマスが近づくこの季節、「昔、西区にもケンタあったよね？」と家族の会話にのぼることがあります。
だからこそ今回のオープンは、地元のひとりとして「おかえり、ケンタッキー」という気持ちが自然とわいてきます。
地域の歴史と、日々の暮らし。その両方に寄り添ってくれるような新しいケンタッキー。
名古屋市西区にお立ち寄りの際は、ぜひ一度のぞいてみてはいかがでしょうか。
アクセス・店舗情報
ケンタッキー・フライド・チキン ヨシヅヤ名古屋名西店
住所：名古屋市西区名西2-33-8 ヨシヅヤ名古屋名西店1階
電話番号：052-508-7104
営業時間：10:00〜21:00
