この記事は、2025年5月に現地取材を行い、他媒体へ寄稿した内容をもとに、再編集したものです。地域で暮らす方により役立つよう、構成や内容を見直し、自メディア向けにアップデートしていますが、診療時間や診療体制など最新情報は、公式サイトをご確認ください。
名古屋市西区で夜間や休日に受診できる医療機関を探している方や、「救急車を呼ぶほどではないけれど診てもらいたい」と迷った経験のある方も多いのではないでしょうか。
2025年5月に開院した庄内緑地救急クリニックは、救急外来を再開し、小児科や入院設備、リハビリまで備えた地域医療の新たな拠点です。
本記事では、現地取材をもとに、その特徴や役割を紹介します。
地域の救急医療を支える、新たな拠点として開院

庄内緑地救急クリニックが誕生した背景には、地域医療を取り巻く大きな課題があります。
名古屋市の救急出動件数は年々増加し、令和6年には16万件を超えて過去最多となりました。救命救急センターへの搬送が集中することで、本来より重症度の高い患者への対応に影響が出ることも社会課題の一つとなっています。
その中で注目されているのが、「大病院」と「かかりつけ医」の間を担う地域医療です。
庄内緑地救急クリニックは、この空白を埋める存在として、地域で初期救急を受け止める役割を担っています。
救急外来が復活した理由
実は、前身となる桜井医院ではかつて救急患者を受け入れていた歴史があります。
しかし時代の流れとともに救急診療は終了し、地域からその機能が失われていました。
その救急医療を再び地域へ取り戻したい――。
そんな思いから新たなクリニックづくりが始まりました。
中心となったのは5代目院長の安藤裕貴先生。
長年にわたり救命救急センターで診療を続け、災害医療にも携わってきた救急専門医です。
救急の最前線で数多くの患者と向き合う中で感じてきたのは、「すべての患者が高度急性期病院を必要としているわけではない」という現実でした。
適切なタイミングで地域の医療機関が診療を担うことで、大病院はより重症の患者へ集中できる。
その役割分担こそが、地域全体の医療を守ることにつながると考えたそうです。
「病院」と「クリニック」の違いとは
「病院」と「クリニック」の違いとは
実は、「病院」と「診療所(クリニック・医院)」は法律上、入院用ベッド数によって区分されています。
・診療所(クリニック・医院):19床以下、または病床を持たない医療機関
・病院:20床以上の病床を持つ医療機関
つまり、「クリニック」という名称だからといって、対応できる診療内容が限定されるわけではありません。
病院にも引けを取らない充実した設備

庄内緑地救急クリニックでは、救急医療を支えるための医療設備が整えられています。
導入されている主な設備は次のとおりです。
- MRI
- CT
- 約10分で結果が分かる血液検査機器
- 救急診療に特化した高性能エコー
頭部や胸部、腹部の急な症状や骨折など、迅速な検査が求められる場面でも院内で対応できる体制が整っています。
さらに、救急専門医を含む複数の救急医が在籍し、初診・救急では診療科を限定せず、幅広い症状の診察を行っています。
夜間・休日も受診できる診療体制。地域の「困った」に応える救急外来
庄内緑地救急クリニックの大きな特徴は、地域の医療機関としては珍しく、夜間や休日にも救急外来を受け入れていることです。
「平日の夜に急な腹痛が起きた」「休日に転倒してしまった」「子どもが突然高熱を出した」――。
そんな「今すぐ診てもらいたい」という場面でも、地域で受診先の選択肢があることは、大きな安心につながります。
「診て終わり」ではない。入院という選択肢がある安心
救急医療というと、大規模病院を思い浮かべる方が多いかもしれません。
一般的な救急医療では、検査の結果によって「入院」か「帰宅」の2択になるケースが多いといいます。
しかし実際には、そのどちらにも当てはまらないケースがあります。
庄内緑地救急クリニックでは、そのようなケースに対応するため、19室の個室病床を備えています。
必要な検査を迅速に行い、症状に応じて経過観察や入院につなげる。
そして、必要であれば地域の基幹病院へ紹介する。
「まず相談できる地域の救急医療」という新しい選択肢が、この場所にはあります。
休日の転倒事故。「入院できたことが心強かった」
取材では、実際に入院していた患者さんにもお話を伺いました。
西区で一人暮らしをしている60代の女性は、休日の夜に自宅で転倒しました。
幸い命に関わるようなけがではありませんでしたが、経過観察のためそのまま入院となりました。
夜間や休日でも診療できる体制を整えることで、「翌日まで我慢するしかない」という状況を減らし、必要な患者が適切なタイミングで医療につながることが期待できます。
高齢者の一人暮らしが増える中、このように「帰宅か入院か」の間を支える医療体制は、本人だけでなく家族にとっても大きな支えになります。

リハビリや在宅診療まで、一貫して支える地域医療
医療は、診断や治療だけで終わるものではありません。
退院後の日常生活や、その先の暮らしまで見据えることも大切です。
庄内緑地救急クリニックでは、リハビリテーションや在宅診療にも対応しています。
退院後の身体機能の回復を支えるリハビリや、自宅で療養を続ける患者への訪問診療など、一人ひとりの状況に合わせた医療を提供しています。
救急医療から在宅医療までを一つの医療機関でつなぐことで、患者や家族の負担軽減にもつながっています。

小児科の新設で、子育て世帯にとっても身近な存在へ
庄内緑地救急クリニックでは、リニューアルを機に小児科が開設されました。
一般小児科、乳幼児健診、予防接種をはじめ、アレルギーや夜尿症など幅広い診療に対応しており、地域の「かかりつけ医」としての役割も担っています。
取材では、小さなお子さんを育てる保護者にもお話を伺いました。
「子どもは急に熱を出すことが多いので、夜間や休日に診てもらえる場所があるだけで安心できます。予防接種や健診もお願いできるなら、かかりつけ医として利用したいです。」
共働き家庭が増える中、平日の昼間だけでは受診が難しい家庭も少なくありません。
地域に身近な医療機関があることは、子どもの健康だけでなく、家族の日常を支える安心にもつながっています。
開院直後から実感した地域のニーズ

開院した5月から12月の約8ヶ月間で救急搬送の受け入れが延べ「1,000件」を超えたのだそうです。
これは決して「患者が多い」という話ではありません。
それだけ「受診先が見つからず困っていた人」がいたことの表れでもあります。
「地域の医療資源をどう活かすか」。重症患者は高度医療機関へつなぎ、必要に応じて地域の病院や診療所とも連携する。
その視点を大切にしながら、患者が必要な医療を適切なタイミングで受けられるよう、地域全体で支える仕組みづくりも、このクリニックが目指す医療の一つです。
安藤院長は取材の中で、次のように話してくださいました。
「私たちは大病院の一歩手前で地域の救急を担う、身近な存在でありたいと思っています。それが患者さんだけでなく、地域医療全体を支えることにつながると信じています。」
この言葉には、100年以上にわたり地域医療を支えてきた桜井医院の歴史と、新たな時代へ向けた挑戦への思いが込められていました。
編集後記
今回の取材を通して印象的だったのは、設備の充実だけではありません。
「地域の救急医療を少しでも支えたい。」
その思いを形にしようとする医療スタッフの姿勢でした。
救急医療は、いざという時に初めてその大切さに気付くものです。
だからこそ、地域にどのような医療機関があり、どんな役割を担っているのかを知っておくことは、自分や家族の安心にもつながります。
庄内緑地救急クリニックは、100年以上続く地域医療の歴史を受け継ぎながら、新しい時代のニーズに応える医療拠点として歩み始めています。
名古屋市西区はもちろん、清須市や北名古屋市など周辺地域に暮らす人にとっても、「いざという時の選択肢」の一つとして覚えておきたい存在です。
※掲載内容は取材時および再編集時点の情報です。最新の診療体制は公式サイトをご確認ください。
施設概要
- 施設名
医療法人桜井医院 庄内緑地救急クリニック - 住所
名古屋市西区市場木町286番地 - 電話
052-501-0165
- アクセス 地下鉄鶴舞線「庄内緑地公園駅」2番出口から徒歩約5分 / 市バス「小田井市場木」バス停から徒歩約1分
【初診・救急外来の診療時間】
| 【平日】 | 【土・日・祝】 |
| 8:45〜12:30 | 8:45〜12:30 |
| 13:30〜17:00 | 13:30〜17:00(時間外診療) |
| 17:00〜22:00(時間外診療) |
※診療体制は変更となる場合があります。受診前に最新情報をご確認ください。
よくある質問(FAQ)
- 夜間でも受診できますか?
-
平日は22時まで救急外来を実施しています。土・日・祝日も時間外診療に対応しています。受診前には最新の診療体制をご確認ください。
- 子どもの発熱でも受診できますか?
-
小児科を開設しており、急な発熱やケガなどは救急外来でも相談できます。
- 駐車場はありますか?
-
敷地内に23台分の駐車場があります。
更新履歴
- 2025年5月 取材・Yahoo!ニュースエキスパートにて公開
- 2026年 自社サイト向けに再編集
