。 こちらはすでに閉店されました。記事の内容は、公開当時の情報に基づいていますので、ご了承の上お読みください
家事に育児に仕事に…毎日、時間に追われるようにバタバタと過ごしていると「ちょっと一息つきたいな」って思うこと、ありませんか?
そんな時ぴったりの、心安らぐ場所を見つけました。名古屋市西区・中小田井の路地裏にひっそりと佇む古民家カフェ「お休み処ポレポレ」です。
ここはただおしゃれなカフェじゃありません。訪れる人みんなを優しく包み込んでくれる、まるで“自分だけの居場所”みたいな場所なんです。
タイムスリップしたみたい!五感で感じる懐かしさ

名鉄中小田井駅から歩いて3分。旧岩倉街道から細い路地に入ると、若草色の暖簾が見えてきます。
築125年という歴史を感じるどっしりとした佇まいに、期待で胸が高鳴りました。

カラカラ……と引き戸を開けると、目に飛び込んでくるのは太い梁と土壁、そしてどこまでも続くような吹き抜けの天井。
の香りがふわりと鼻をくすぐり、聞こえてくるのは静かに流れるBGMと、時折聞こえる街の音。
「ただいま」と自然に声に出してしまいそうになる、そんな懐かしい空気に包まれて、一瞬で心がほどけていくのを感じました。
心と体に染み渡る、お母さんの手作りごはん

この日いただいたのは、お店の看板メニュー「日替わりごはんセット(700縁)」。
そう、「円」ではなく「縁」。この一文字に、お店を営むご夫婦の温かい想いがぎゅっと詰まっている気がします。
運ばれてきたごはんを見て、まず驚いたのはそのやさしい見た目。彩り豊かな副菜が小鉢にちょこんと盛られていて、見ているだけで心が温かくなります。
一口食べると、体にスッと染み渡るような優しい味わい。
特に印象的だったのは、アミエビとしその香りが爽やかな酢飯。
暑い日でもぺろりと食べられる軽やかさで、疲れた体に活力をくれるようでした。野菜たっぷりの具だくさん味噌汁も、どこか懐かしいおふくろの味。
どれもこれも、頑張りすぎた自分をそっと労ってくれるような、心に沁みる味でした。

お休み処ポレポレの誕生ストーリー
「お休み処ポレポレ」は、ただご飯を食べる場所ではありませんでした。
中小田井地区は市内に4つある町並み保存地区の一つですが、旧岩倉街道沿いに点在する歴史的建造物が減少が続いていたそう。

町並み保存の重要性を感じていた地域団体が、次世代にこの場所を繋げたいとの思いで、改修工事を行ったという経緯があるそうです。
せっかくの貴重な古民家を知ってほしい、地域の交流の拠点としたいと、ボランティアのご夫婦がカフェの運営をスタート。
地域の人たちの「この歴史ある建物を未来に残したい」という温かい気持ちと、訪れる人との“縁”を大切にするご夫婦の想いが詰まった、特別な場所でした。
美味しい手作りごはんを味わいながら、縁側から穏やかな景色を眺めていると、日々の忙しさで凝り固まった心がじんわりと解き放たれていくのを感じます。
近くの幼稚園から子どもたちの声にも癒されるひととき。
名古屋にこんなにも心が安らぐ場所があったなんて。また疲れたら、ここに帰ってきたい。そう思わせてくれる、温かい場所でした。

2023年8月 追記:残念ながら、カフェとしての営業は2023年7月をもって終了されましたが、レンタルスペースとして今も活用されているようです。
イベントやギャラリーとして、この温かい空間に再び触れる機会があるかもしれません。
店舗情報
店名 お休み処ポレポレ
住所 名古屋市西区中小田井1-367
営業時間 火水木 9-14(L.O.13:30)
公式インスタグラム
※本記事は取材時点の情報に基づいています。現在はメニューや価格、その他の状況が異なっている場合がありますので、ご利用の際は最新情報をご確認ください。