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【名古屋市】「名古屋まちなみデザイン賞2025」西区・北区の2事例を紹介 “人をつなぐまちの顔”とは

名古屋まちなみデザインセレクションとは?

まちを歩いていて、「この景色、素敵だな」と感じたことはありませんか?
そんな“まちの景色”をつくる建物や活動を表彰する「名古屋まちなみデザインセレクション」の第7回選出結果が発表されました。

この賞は、市民がまちへの誇りと愛着を持てるようにと平成24年度から始まったもの。
令和7年度は新たに「リノベーション部門」と「ウォーカブル部門」が加わり、計5部門で選定が行われました。

その中から、西区・北区で選ばれた注目の2つの事例を紹介します。
どちらも“人と人”“人と地域”のつながりをつよく感じられる取り組みです。

西区から:「コウノミBASE」——暮らしをデザインする賃貸住宅

サインが語る「自分らしい暮らし」のかたち

西区で「サイン・屋外広告物・屋外看板部門」を受賞したのは、賃貸アパートの「コウノミBASE」。
白い外壁に描かれた「BASE」の文字が印象的です。
この物件の特徴は、DIYができる賃貸住宅であること。
入居者自身で壁を貼ったり、棚をつけたり。自分らしい暮らし方が住まいへの愛着を深めます。

さらに入居者同士やオーナーとの交流が自然と生まれる工夫がなされ、ただの住居ではなく、“人がつながる場”でもあるのが大きな魅力です。

その理念を体現した外壁デザインが、まちなみの一部として地域に新しい景観を生み出したことが評価されました。
“暮らすこと”そのものがまちのデザインになる——そんな素敵な事例です。

北区から:「2020 NAGOYA AKIYA LOOK BOOK」——空き家を“地域の宝”に

眠っていた建物を、未来のまちの資源へ

北区の清水・大杉エリアで活動する「2020 NAGOYA AKIYA LOOK BOOK」は、「まちづくり活動部門」で受賞。
エリア内に点在する空き家や空き店舗の魅力と可能性を「見える化」するなど、“地域の物語を持つ資産”として再発見する視点が高く評価されました。

金城市場。木造トラス構造の大空間は、独特の魅力を放ちます。

金城市場—唯一無二の存在感

活動の象徴的な拠点が、昭和30年創業の「金城市場」。
かつては地域の台所としてにぎわいましたが、時代の流れとともに店舗は減り、長く精肉店一軒のみの営業が続いていました。
2025年5月には、その精肉店も惜しまれつつ幕を閉じています。

2022年頃から修繕が始まり、海外アーティストのライブをきっかけに「金城夜市」や「朝市」「古本市」など、さまざまなイベントが開催されるようになりました。
手づくりおむすび店やビストロも常設され、近くクラフトビール店のオープンも予定されています。

古い建物に新しい風が吹き込む——
空き家をきっかけに人がつながり、街に再び灯りがともる。
そんなユニークな循環が、この地域に生まれています。

あなたの身近にも、未来の「まちなみデザイン」があるかも

西区の「コウノミBASE」、北区の「AKIYA LOOK BOOK」。
今回の受賞に共通するのは、“人と人との関係をデザインする力”です。

リノベーションや景観整備といったハード面にとどまらず、
「人が関わり続ける仕組み」そのものが、まちの魅力を育てている——
そんな時代の流れを感じます。

まちは、誰かの小さな行動から少しずつ形を変えていく。
この先、あなたの身近な場所からも、未来の「まちなみデザイン」が生まれるかもしれません。

名古屋まちなみデザインセレクション概要

  • 募集期間:令和6年9月2日(月)〜11月29日(金)
  • 選定:有識者の意見を踏まえ市長が決定
  • 対象:建築物、サイン、まちづくり活動など