—縁結び・夫婦円満・成功祈願にも人気、星祭は毎年8月7日—
名古屋市西区の住宅街に、静かに“星”の名を持つ神社があります。
その名も「星神社」。創建1100年以上と伝わる由緒ある古社で、縁結びや夫婦円満のご利益を求めて訪れる参拝者も多い神社です。
最寄りは名古屋市営地下鉄・庄内緑地公園駅。南へ徒歩10分ほどで到着します。
名鉄犬山線・中小田井駅からも歩けますが、普通電車のみ停車のためご注意ください。
境内へ向かう途中、庄内川の堤防沿いに立つ大きなムクノキが目に入ります。しめ縄が巻かれたこの木は樹齢300年ともいわれ、車で訪れる方には目印になります。
星の神様と、彦星・織姫が並んで祀られる珍しい神社
星神社の御祭神は大己貴命（おおなむちのみこと／大国主命の別名）。
あわせて、星の神様・天香香背男神（あめのかがせおのかみ）、そして牽牛星（彦星）・織女星（織姫）も祀られています。
彦星さまと織姫さまがそろって祀られている神社は全国的にも珍しく、社殿に掲げられた白幕の七曜紋にも「星」の存在を感じることができます。
庄内川に伝わる「小田井村の七夕伝説」
星神社周辺には、今も語り継がれる少し切ない七夕伝説があります。
昔、小田井村（現在の西区上小田井あたり）に住む若者と、対岸の田幡村（現在の北区金城町あたり）の娘が恋に落ちました。
庄内川を挟んで暮らす二人は再会を誓いますが、約束の日は大雨。渡し舟は使えず、川は濁流に変わっていました。
「きっと娘は自分を待っている」——若者は激流の庄内川へ飛び込みますが、力尽きて帰らぬ人に。悲しみのあまり、娘もまた川へ身を投げてしまったのだと伝えられています。
村人たちは牽牛星を若者、織女星を娘になぞらえ、庄内川を天の川のように見立てたそうです。
この地域はかつて水害が多く、右岸側（小田井側）が城下町を守るために犠牲を強いられた歴史もあります。
自然の脅威とともに生きてきた土地だからこそ、この伝説には祈りや戒め、そして地域の人々の思いがこもっているように感じます。
縁結びの神社として親しまれる星神社
訪れた日には、ちょうど和装姿の新郎新婦が境内に姿を見せ、赤い毛氈の参道と重なって晴れやかな雰囲気が漂っていました。
地域の神社で神前式が行われる光景はとても温かく、人生の節目をこの場所で迎える人がいることに、星神社が今も地域に大切にされていることを感じます。
落ち着いた佇まいの社殿は写真映えも良く、前撮りや記念撮影にもぴったりです。
星形絵馬がかわいい！推し活スポットとしても人気
星神社といえば、星形の絵馬。
一般的な五角形ではなく「星型」なのが特徴で、芸能関係の方や夢に向かう若い人たちが多く奉納しているそうです。
- 大星絵馬（御祈祷付き）：初穂料 1万円
- 小さめの星形絵馬：初穂料 500円
カップルの名前入り絵馬や、推しへの応援メッセージなども多数掛けられ、近年は“推し活”の参拝スポットとしても注目されています。
七夕祭（星祭）は旧暦の8月7日
7月7日に訪れる方も多いですが、星神社の七夕祭は“旧暦”に合わせて毎年8月7日に行われます。
これは、1,100年以上前の仁和年中(にんなねんちゅう)より続く伝統とのこと。
例年、境内には星空をイメージしたイルミネーションが飾られ、夏の夜にふさわしいロマンチックな光景が広がります。
小田井の七夕伝説を知ったうえで眺めると、また違った奥深さを感じられます。
歴史と伝説に彩られた、星の神社へ
庄内川の堤防沿いに佇む星神社は、地域の歴史や人々の思いが静かに息づく場所。
星形絵馬に願いを込めたり、七夕伝説に思いを寄せたり——。
名古屋市内にありながら、少し特別な時間を過ごせる神社です。
お近くに訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
【施設情報】
星神社（ほしじんじゃ）
住所：名古屋市西区上小田井一丁目172番地
電話：052-501-2862
授与所：9:00〜16:00
駐車場：隣接して約10台
※祭典などにより変更になる場合があります
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