夏の夕暮れ。
名古屋市北区・柳原通商店街の空気が、いつもより少しだけ賑やかに変わります。
普段は落ち着いた時間が流れるこの通りも、8月第一火曜・水曜の二日間だけは、地域の人が自然と集まる特別な場所に。
2025年も「第72回 柳原通商店街夏祭り」が開催されました。
金城橋から柳原一交差点まで、約600メートルが歩行者天国に。
通りの両側には屋台やキッチンカーが並び、ざわざわとした人の声と、ポテトや焼きそばの香ばしい匂いが混ざります。

子どもたちの笑顔が増える、夏の夕暮れ
浴衣姿の女の子がチョコバナナを片手に歩き、甚平姿の男の子がゲームコーナーに夢中になる。
さかな釣りのようなゲームに真剣な表情で挑む姿に、思わず周りの大人も笑顔になります。
オレンジ色の夕焼けと、提灯の灯りが混ざる時間帯。
その光景を見ていると、「ああ、夏だな」と自然に感じました。
この日の柳原通は、人、人、人。
それでも、身動きが取れないほどではなく、歩きながら屋台やお店を見て回れるくらい。
賑わいの中にも、地元のお祭りらしい安心感があります。

“まちのステージ”が生まれた夜
2025年は、ステージイベントや路上パフォーマンスも充実していた印象でした。

初日の北ステージでは、名古屋ダイヤモンドドルフィンズの公式チアリーダー「ダイヤモンドルージュ」が登場。
華やかなダンスに、通り全体の空気が一気に明るくなったように感じました。

そのほかにも、バルーンアートや弾き語り、音楽ライブ、大道芸など、通りを歩いているだけでも自然と足が止まる場面が続きます。
中でも大きな人だかりができていたのが、名古屋でおなじみの「サックス侍」。
演奏が始まると、観客の輪が何重にも広がっていきました。

にぎやかな会場の中で流れるサックスの音色が、どこかやわらかく感じられたのが印象的でした。

屋台・キッチンカー・商店街グルメ
お祭りといえば、やっぱり食べ歩き。
たこ焼き、からあげ、かき氷…。歩くだけで「何を食べようかな」と迷う時間も楽しいですよね。
2025年は、5月に柳原通商店街へ移転してきた名古屋風たこ焼き店「るんるん」にも長い行列ができていました。
できたてを受け取ったお客さんから「熱っつ!うまっ!」という声が聞こえてきて、思わずこちらまで笑顔になります。

未来へ向けて、少しずつ変わる商店街
商店街関係者の方によると、2025年は外部アドバイザーを招き、より楽しめるイベントづくりにも取り組んだそうです。
「若い世代にも知ってもらって、昔のような賑わいを取り戻したい」
その言葉からは、まちへの思いの強さが伝わってきました。
かつて「大須商店街と並ぶほど」と言われた人通りの多さ。
地下鉄開通などで流れが変わり、静かな時期を経験したからこそ、今の賑わいにはまた違った意味があるのかもしれません。
IGアリーナの開業もあり、周辺エリアへの注目度も少しずつ上がってきています。
新しいお店が増える一方で、昔からのお店も残っている。
歩くたびに、懐かしさと新しさが同居する景色が広がっています。
夏の夜に灯る、まちのあかり
祭りの終盤。
子どもたちの笑い声が、夜風に少しずつ溶けていきます。
屋台の灯りがひとつ、またひとつと消えて、通りはゆっくり日常に戻っていく。
浴衣姿の親子が、少し名残惜しそうに歩いて帰っていく後ろ姿が印象に残りました。
柳原通商店街の夏祭りは、派手なイベントというより、
地域の人が自然に集まる時間。
ノスタルジックで、あたたかい。
この夏の景色は、来年も、その先も、きっと続いていくんだろうなと感じました。
第72回 柳原通商店街 夏祭り(開催終了)
開催日:2025年8月5日(火)・6日(水)
時間:18:00~21:00
会場:柳原通商店街(名古屋市北区・金城橋~柳原一交差点)
主催:柳原通商店街振興組合


