新生活で増える不安「放課後、どう過ごす?」
子どもの成長とともに、ふと気になってくるのが放課後の過ごし方です。
進級や入学、環境の変化をきっかけに、「この子に合った居場所はあるのだろうか」と考え始める親御さんも多いのではないでしょうか。
「新しい環境に馴染めるか心配」
「集団生活のペースについていけるかしら」
そんな思いから、「放課後等デイサービスってどういう場所?」と調べ始める方も少なくありません。
私自身も子育て中のひとりとして、こうした声に触れる機会が多くあります。
放課後等デイサービス(放デイ)は、発達や集団行動に不安のある子どもたちが、安心して過ごせる“第三の居場所”です。
今回は、名古屋市西区貝田町に2025年4月に開所した 放課後等デイサービス まお さんを訪ね、その取り組みを具体的に伺いました。
学校でも家庭でもない場所で、子どもが自分らしく過ごせるよう支援する。
その姿は、地域の中で静かに、けれど確かな役割を担っています。

放課後等デイサービスとは?学校でも家庭でもない第三の居場所
放デイを利用する理由はさまざまです。
- 学校での集団生活に疲れやすい
- 宿題を一人で進めるのが難しい
- 運動が苦手で、体を動かす機会をつくりたい
- 友だちとの関わり方を学びたい
- 家では落ち着いて過ごしにくい
- 工作や音楽など「好き」を伸ばしたい
「特別な場所」ではなく、子どもの日常の困りごとに寄り添うための身近な支援だと感じます。
2025年4月にオープンした西区・貝田町の放課後等デイサービス「まお」を訪ねました

まおを利用する子どもたちは、名古屋市内の広いエリアから通っています。
稲生小、光城小、上名古屋小、なごや小、山吹小、比良西小、平田西小、栄小、清水小など、多くの校区から受け入れています。
送迎の柔軟さもあり、地域のニーズに合わせた受け入れを行っているのが特徴です。
現在は1年生が約半数、低学年の利用が中心で、はじめて放デイを利用する家庭も多いそうです。
まおが大切にする“できた!”を支える支援の考え方

まおが大切にしているのは、「子どものやりたい気持ち」と「できた!」という成功体験を積み重ねること。
学年や年齢で一律に進めるのではなく、一人ひとりの段階やつまずきを丁寧に捉え、少しずつステップを積み上げていく。それが子どもの自信につながり、将来「自分はできる」という感覚を育てていくといいます。
「運動が苦手」「友だちとの関わりが不安」「学習のちょっとしたつまずき」など、学校という大きな集団では拾いきれない、小さな困りごとを、地域の施設が丁寧に支えている印象です。
遊び・学習・療育…放課後の過ごし方とそのねらい
放課後の流れは、遊び → おやつ → 学習 → 療育活動 → 遊び → 帰宅。
遊びではブロック遊び、ボードゲーム、おままごと、コラージュ制作が人気で、活動の中に自然とコミュニケーションが生まれるよう工夫されています。
療育活動では、
- 社会性を育むSST活動(ソーシャルスキルトレーニング)
- 運動療育
- 学習や社会面、運動面の基盤つくりができる認知機能トレーニング、
- 音楽療法
- 制作活動
など、さまざまな角度から子どもの成長を支えています。

中でも、プロジェクションマッピングを使った運動療育「トレキング」は、まおの人気プログラム。
楽しみながら体の動かし方を身につけられるため、運動が苦手な子でも自然と参加できるのだとか。
ゲーム感覚で、自然と体を動かす習慣づくりにもつながっています。
学習・生活・学校連携まで幅広く対応

まおには、学習の相談、学校生活の相談、家での関わり方、切り替えの上手な取り組み方、忘れ物改善などの生活面まで、幅広い相談が寄せられます。
さらに来年度には心理士が入職予定で、発達段階の理解や支援のアプローチがより専門的になりそうです。
必要に応じて学校訪問も行い、家庭と学校をつなぐ役割を担っている点も心強いところ。保護者にとって大きな安心材料ですね。
見学・利用の流れ
利用の流れは、
自治体へ相談 → 受給者証発行 → 施設と契約 → 利用開始。
利用料の目安は、世帯年収に応じて変わり、4600円または37200円の上限額となるそうです。(おやつ代やイベント代は別途)
就学時検診後からは特に多くの問い合わせが寄せられていますが、現在は若干の空きがあるとのことです。
(※見学は随時可能。まずはお電話でお問合せを)
4月以降、新施設も開所予定となっており、そちらについても募集中です。
地域とつながる放デイを目指して

まおでは今後、お祭りや子ども食堂、フードロスイベントなど、地域活動へも積極的に行っていきたいとのこと。
第一弾として、2026年1月、地元企業と連携し、絵本イベントの会場に子どもたちの作品を展示する取り組みも予定されています。
子どもたちの制作物が地域の人の目に触れることで、「自分の表現が地域とつながる」という自己肯定感を高める体験にもつながります。
“地域に開かれた放デイ” という姿勢が強く感じられました。
子育てをする中で、「放課後をどう過ごすか」は大きな課題です。
考える際の選択肢のひとつとして、まおのような放課後等デイサービスの存在を知っておくことは、
名古屋市北区・西区周辺の親子にとって心強い支えになるかもしれません。
【施設情報】
施設名 放課後等デイサービス まお
住所 名古屋市西区貝田町2丁目59番地 エクセル貝田1階西
Tel 052-325-7979
公式インスタグラム
公式サイト

