名古屋市北区の住宅街の中にひっそりと佇む一軒の焼肉屋。
『大和園』は長年地元の人たちに親しまれてきました。
駅からは少し離れた場所にあり、通りを歩いていても、うっかり通り過ぎてしまいそうなほど控えめな店構えです。
木製の看板は明るく照らされることなく、目を凝らしてやっと店名が読めました。

扉を開けると、隠れ家のようなこじんまりした空間。照明を抑えた落ち着いた雰囲気です。
女将さんが一人で切り盛りするこの店は、開店から50年にもなるそう。

訪れたのは平日の夜、他に客は馴染みらしい一組のみ。
先客が静かに食事を終えて退店した後は、貸し切り状態に…。
それもそのはず。女将さん一人での営業のため無理のないペースで店を続けており、今は予約制に近い形だそう。
来店前に電話での確認がおすすめです。
実食レポ
まずはビール。そしてカルビ。モモ、塩さがり。どれも厚すぎず、ほどよい切り方。



たれはさらりとした透明感のある“あっさり系”。
甘辛い濃厚だれが主流の店も多い中で、この軽やかさは新鮮に感じます。
卓上にはすりおろしニンニクも用意されていました。少しパンチをきかせたい方はどうぞ。

どれも丁寧に下ごしらえされ、肉質は細やかでとても柔らか。口の中でとろけるような味わいです。
焼きすぎにはご注意を。

焼いては食べ、焼いては食べ…。皆、美味しいタイミングを逃すまいと、ただひたすらに肉と向き合うため、おのずと口数が少なくなっていました。
女将さんの言葉
帰り際、女将さんと交わす一言二言。
「もうね、五十年になるのよ」と女将さん。
若いころに店を始め、気づけば地域と共に半世紀。子どものころから、焼肉ならここ、というお客さんも多いようです。
「いつまで続けられるかわからないけどねー」
そう呟いたあと、すぐに「ま、できるうちは頑張るよ」と笑ってみせました。
特別な宣伝もなく、ただ日々を丁寧に重ねてきた店。
駅から離れた立地にもかかわらず、長年にわたって地元の人々に親しまれてきたのは、きっと女将さんのあたたかな人柄もあるのでしょう。
隠れ家的な雰囲気で美味しい焼肉を楽しみたいとき、訪れてみてはいかがでしょうか。
来店前には電話でのお問い合わせがおすすめです。
店舗情報
店名 大和園
予約 052-915-1605
住所 名古屋市北区金城3-6-4
アクセス 市営バス 光音寺町(すぐ目の前)
※以前は駐車場があったとの情報もありましたが、現在は専用駐車場はありませんので、近隣のコインパーキングをご利用ください。